【人間学の教科書】 7月26日 本居宣長が「松坂の一夜」の前にしたこと
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格闘塾入魂通信 夕刊
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汝の思いを清めよ
汝の願いを高めよ
汝の祈りを深めよ
一念透徹すれば
天地も動く
(三重県伊勢市「修養団」中山靖雄先生のお言葉)
Make your mind clear.
Lift up your hopes.
Make your prayers heartfelt.
With strong determination,
anything is possible.
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自分に問え!
今日を熱く生きたか?
今日を本気で生きたか?
今日を圧倒的に生きたか?
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【 7月26日 本居宣長が「松坂の一夜」の前にしたこと 吉田悦之 】
<著者>
吉田悦之(よしだ よしゆき)
本居宣長記念館館長
<語彙>
1. 本居宣長(もとおり のりなが):江戸時代の有名な学者(国学者・医者)。
歴史の教科書に絶対出てくる超有名人です。日本に昔から伝わる素晴らしい心を研究する「国学(こくがく)」という学問を完成させました。
日本最古の歴史書『古事記(こじき)』を35年もかけてじっくり研究し、誰もが読めるようにした『古事記伝(こじきでん)』という大作を書き上げました。
2. 賀茂真淵(かも のまぶち):江戸時代の高名な国学者で、本居宣長の先生。
宣長より一世代上の大先輩学者です。古い歌集である『万葉集(まんようしゅう)』などを研究して、国学の基礎を築きました。宣長の才能を見出し、彼に大きな影響を与えた人物です。
3. 松坂の一夜(まつざかのいちや):本居宣長と賀茂真淵が、三重県の松坂で初めて直接会って語り明かした「奇跡の一晩」のこと。
1763年、憧れの先輩である真淵が旅の途中で宣長の地元(松坂)に泊まると聞いた宣長は、宿を訪ねて「弟子にしてください!」とお願いしました。真淵は宣長の才能をひと目で見抜き、「君は『古事記』を研究するといいよ。応援するからね」とアドバイスしました。これが出発点となり、宣長は歴史に残る偉大な研究を始めることになりました。日本の歴史ファンの間では超有名なエピソードです。
4. 拝謁を請う(はいえつをこう):身分の高い人や、自分がとても尊敬している人に「お会いさせてください」とお願いすること。
「拝謁(はいえつ)」は偉い人に会うこと、「請う(こう)」はお願いすること。すごくへりくだった丁寧な言い方です。
「若き日の宣長は、憧れの学者である賀茂真淵に拝謁を請うため、宿を訪ねた」
5. 千載一遇(せんざいいちぐう):めったにない、千年に一度あるかないかというくらいの絶好のチャンス。
「千載」は千年のこと。「一遇」はたまたま出会うこと。一生に一度レベルの、ものすごいラッキーな機会のことです。
「憧れのプロ選手から直接指導してもらえるなんて、千載一遇のチャンスだ!」
6. 開陳(かいちん):自分の考えや心の中にある意見を、みんなの前ではっきりと述べること。
心の中にある思いや計画を「オープン(開)にして、みんなに並べて見せる(陳)」という意味です。
「彼は会議の席で、温めていた新しいアイデアを熱く開陳した」
7. 賜る(たまわる):「もらう」のとても丁寧な言葉(敬語)。目上の人から何かをありがたく頂戴すること。
ただもらうのではなく、相手への深い感謝を込めて使う言葉です。逆に、目上の人が自分に何かを「くださる」という意味でも使います。
「皆さんのご意見を賜りたい(=教えてほしい・ください)」
8. 覚束ない(おぼつかない):物事がはっきりしない、うまくいきそうになくて怪しい、頼りない。
自信がなくてハラハラするような状態や、可能性が低そうなときに使います。
「今の勉強量のままでは、志望校への合格は覚束ない」
「徹夜明けで、足元が覚束ない(=よろよろしている)」
9. 憶測(おくそく):確かな証拠がないのに、自分の頭の中だけで「こうじゃないかな」と勝手に推測すること。
「たぶんこうだろう」という、根拠のない思い込みや当てずっぽうのことです。
<感想>
今回は日本文学・国学の歴史における伝説的な運命の出会い、本居宣長と賀茂真淵の「松坂の一夜(まつさかのいちや)」の舞台裏ですね。
教科書では「奇跡の出会い」としてドラマチックに語られがちなエピソードですが、その裏にあった宣長の気の遠くなるような執念と、極めて冷静で緻密な「戦略」が明かされており、ビジネスや人生のあらゆる局面にも通じる凄まじい教訓が含まれていると感じました。
まず冒頭の、古事記の最初の2文字「天地」を「アメツチ」と読み定めるまでに5年もの時間を費やしたという事実に圧倒されます。
師も頼れる人もいない松坂の地で、たった1冊の辞書を頼りに、暗闇を手探りで進むような孤独な研究。
この時点で宣長の古事記に対する熱量は、常人の域を遥かに超えた「狂気」とも言えるレベルに達していたことが分かります。
だからこそ、その後の行動のすべてに爆発的なエネルギーが宿ったのでしょう。
歴史を大きく変えた「松坂の一夜」ですが、この文章を読むと、それが決して降って湧いたようなラッキーではなかったことがよく分かります。
自分の置かれた環境(伊勢街道という人の流れ)を活かした情報分析
本屋の主人に「真淵が来たら教えてくれ」と頼んでおく根回し
一度すれ違っても諦めず、「帰りも同じ宿に泊まるはず」と予測した先読みの行動
偶然の出会いではありましたが、そこには千載一遇のチャンスを逃さない宣長の情報分析力と実行力がありました。
まさに「準備のない者にチャンスは訪れない」を体現したエピソードであり、宣長は運を天に任せるのではなく、自らの知性と行動で打率を極限まで引き上げていたのだと痛感させられます。
最もエキサイティングだったのは、実際に会えた時のために宣長が用意していた「会話のシミュレーション」のくだりです。
限られた時間の中で、ただ自分の知識を自慢(自己紹介や自説の開陳)しても、大御所である真淵からは「がんばりたまえ」という社交辞令で終わらされてしまう。宣長はそのリスクを完全に予見していました。
そこで彼が取った作戦が実に老獪で鮮やかです。
師の著書を褒めて気分をよくさせる(懐に入る)
相手が一番食いつく「古事記の読み方」という本質的な問いを投げかける
相手が驚いた瞬間に、独自の鋭い持論を一気に展開し、解説本の執筆計画をぶつける
この計算され尽くしたプレゼンテーションがあったからこそ、67歳の巨匠・真淵は、34歳の無名の若者の言葉に耳を傾け、本気で応えたのだと思います。熱意だけでなく、それを届けるための「伝え方のデザイン」が完璧だったのです。
本居宣長は、「自分の内側にある狂気的な情熱を、外側の現実を動かすためにどう戦略的に実行するか」という、動的なパワーに満ち溢れています。5年の孤独な下積みがあり、チャンスを絶対に逃さない執念の包囲網があり、いざ会えた時のための完璧なシミュレーションがある。
「夢を叶えるとは、ここまで徹底的に泥臭く、かつ知的に準備を重ねることなのだ」と、現代を生きる私たちの胸を激しく揺さぶってきました。
今は、松阪市になっていますが、神宮にお参りに行くときには必ず寄るのが松阪市。
目的は、1010番地(https://1010banchi.co.jp/)
こちらのスイーツをいただきながら、「松坂の一夜」に思いを馳せたいと思います。
今夜も熱く激しく勉強三昧!
当然、
熱くやる!
本気でやる!
圧倒的にやる!
凡庸を脱する唯一の方法が、圧倒的努力
他人が足元にも及ぼないほどの凄まじい行動あるのみ
自分の熱い思い=熱狂だけが、
目の前の壁を溶かし去る
もうひと踏ん張りして、結果を残す!
押忍
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